1495.
野菜を構成する物質の性質と、主に動物の肉のように早急に腐敗することがないことから、一般的な原則は同一ながらもこれらを保存する方法には違いがある。あらゆる保存の方法が、種の性質や気候、利用のされ方などにしたがって果物といろんな種類の野菜におこなわれている。ナッツやレーズン、香味野菜のように、あるものは乾燥され、果汁が乾燥によって失われてしまう多くの果物は、砂糖を用いて保存される。またあるものはビネガーによって保存され、香味料やピクルスとして用いられる。そのほか、少数がインゲン豆のように塩によって保存され、アルコールによって保存されるものもある。 しかしここでは、果物を保存するのに最適である方法を取り上げることとする。果物は健康の維持にとって、もっとも重要な品目である。美食家は、それなしでぜいたく品を持っているとはほとんど言われることがない。しかしながら、私たちがそれを新鮮なまま利用できる機会は非常に限られているので、保存する必要性がある。 タルトや他の似たような料理を作るなどさまざまな料理の目的に適合させるために、長い間安価な方法で果物を保存する方法は必要とされてきた。 砂糖によるそれらの保存にかかる費用は、重大な問題である。なぜなら、砂糖は非常に多量に用いられなければ、ちゃんと成功できるかどうかが不明確であるからだ。砂糖は同様に他を圧倒してしまい、おおくの果物にのぞましい酸味を殺してしまう。したがってこの方法により保存された果物は、主にデザートの用途に用いられることになる。 保存される果物は可能であるなら、乾いた気候の朝に、朝日がそれらの上にさしかかっているときに採集されるべきである。その際に果実は最も味が強く、また他の時間帯に採集した時にくらべ長期間良い状態で保存できる。 果物は使用されるまで、搾乳場か氷室か冷蔵庫に置いておく。氷室に置いておけば、数日間は新鮮で肉付きが良い状態で保存していられる。湿っているか霧の濃い天候の日に採集された果物は、まもなく白カビが生えてしまい、保存には適さない。
1499.
ジャムに最も適した果物は、アプリコット、桃、ネクタリン、りんご、スモモ、すべての種類のプラム、西洋ナシである。あまり熟しすぎていないアプリコットをとって、茎の終わりの部分に切れ目をいれて種を押し出し、やわらかくなるまで半時間ほど煮て、そのあと冷水の中に入れる。
それが冷えたとき、取り出して水抜きをする。
パイ用の鍋にアプリコットをそれが隠れるまでシロップと一緒に入れ、3,4時間煮詰め、上澄みをとってから火からおろし、陶器製の鍋にいれて翌日まで冷却させる。
続いて3日間煮詰めて、あくを適宜取れば完了で、ポットに入れて使用できる状態になる。
煮沸のそれぞれの時に、冷やせばシロップの状態がよくわかる。薄すぎればもっと煮詰める必要があるが、濃すぎれば通常の濃度のシロップで薄めるべきであろう。果物がジャム用の鍋から陶製の鍋に除かれる理由は、果物の酸が通常鍋に使われている銅に作用してしまうからである。
この例からシロップによって果物を保存することについての過程は容易に理解できるであろう。
最初の目的は、湯通しや煮沸によって果物をやわらかくすることで、それによってシロップが果物に浸透しやすくなる。
